自然治癒力発毛理論/理学博士鶴巻成男
髪がどっとこむトップページ自然治癒力発毛理論第1章 自然治癒力が毛髪を蘇えさせる>(7)自然治癒力は心によって左右される


〜第1章 自然治癒力が毛髪を蘇えさせる〜

(7)自然治癒力は心によって左右される
(7)自然治癒力は心によって左右される

@心とは
 発毛や育毛の本を見ると、毛髪を草花、頭皮を土壌、育毛剤を肥料に例え、解説している事があります。実はこの表現が発毛、育毛にとっては非常に危険な発想で、これだけを鵜呑みにすると、とんでもない結果になります。それは「人間には高次な心があるのに対して植物には心が無い」という紛れもない事実です。
 人間を始め、動物も植物も生きるという事に関しては、その形態は違うものの、それぞれの細胞の生命を維持している事には変わりありません。同じ生命を維持するにも、植物は自然の環境に従って生きるか、人為的な環境に従って生きているだけで、自らの創意や工夫はなく、環境に合わなければ枯れて、生命を失います。
 動物には生きていく工夫や、それに伴う知恵を持ち、欲求の表現、例えば食べ物を欲しがるときは、泣いたり吠えたりして意志を表現し、又、自ら探すこともできます。ペットとして飼い慣らされている動物は、飼い主や可愛がってくれそうな人には尾を振ったり、なめ回したり、猫撫で声を出して甘える事を知っています。このような心の表現は植物にはなく、行動すらもできないのです。

 誰もが言葉の上では知りながらも見た人がいない、この得体の知れない不思議な「心」とは一体、何なのでしょうか。
 「広辞苑」によれば、「心」とは「人間の精神作用の元となるもの。また、その作用」、更に「知識、感情、意志の総体」とされています。
 では、「精神」とは何かという疑問に駆られ、再び「広辞苑」を紐解いて見ると、「物質、肉体的に対して心。たましい。」更に「知性的、理性的な、能動的。目的意識的な心の動き。根気、気力。」と著されています。
 「心」も「神経の駆動」も脳の中枢によって起こるものですが、「脳と神経」は本来、一体のもので解剖学上では「脳」は神経系に属し、その構造はかなり以前から解明され、我々理・美容師も既に学習し、理解しています。
 しかし、「心」と「脳」の働きについては、かつては西洋医学の高度な英知を持ってさえも解明する事ができない「ブラックボックス」とされ、神秘の世界とされていたのですが、近年になって脳内ホルモンの分子レベルでの研究が進み、やっとその「ブラックボックス」に光がそそぎ込まれるようになったというような現状なのです。


A心と脳・神経の関わり
 人間は、まず生きていこうとする基本的な「意欲」、次に生きていく上において起こる様々な事に対する「情感」、そして人間にしかない高次な「英知」、更に高次な英知によって生まれる「創造」「品性」「理性」という脳の働きによって心の豊かさ、人間が人間らしく生きる心が作られます。

 この「意欲」「情感」「英知」の脳の働きをどのように使うかによって、その人の「心の在り方」「思考の違い」があるのです。例えば、何の感情も持たず、欲望のおもむくまま生きる人、感情は持っていても全てが自己中心に生きる人、自分は生かされているという自覚を持って生きる人と様々ですが、これらは三つの脳の働き、つまり「視床下部」「大脳辺縁系」「大脳新皮質」そして「前頭連合野」の統率によって生まれるのです。(1の7 図)
 「視床下部」は脳の中心に位置する間脳の一部で、視床の前下方にあることから、その名称が付けられたとされる大豆粒ほどの小さな脳で、その下方に突き出た脳下垂体と連なり、自律神経を中枢して生命維持に関する自律的な機能、つまり恒常性維持機能を司り、「生命の脳」とも言われています。
 「大脳辺縁系」は、大脳半球の内側にある間脳、大脳を囲む辺縁系と記憶や学習を司る海馬体、本能的な攻撃性や認知力を司る扁桃体、前頭連合野と他の脳の間に行なわれる情報交換の仲介役を司る側座核などを含めて大脳辺縁系といいます。
 大脳には皮質という組織があり、人類の進化の過程で古くから発達したとされる古皮質と、それよりやや新しい中間皮質からなり、視床下部との協調により、本能や情感、つまり食欲や性欲、体温の調節や心拍の調整、物質の代謝、毛髪の生成などに関わる自律的な生命活動、そして快、不快、恐れ、怒りなどの情感、情動に関わり、別名「情感の脳」あるいは「内臓の脳」「動物の脳」とも言われています。
 「大脳新皮質」は古皮質、中間皮質に対しての大脳皮質の別称で、前頭連合野との協調によって「英知」「品性」「理性」「創造」などを司り、「道徳心」や「道義心」という人間だから持てる高次な「心」を育て、養う脳で、別名「英知の脳」とも言われています。
 「前頭連合野」は大脳皮質の中心溝と外側溝に囲まれた前方部にあって、大脳古皮質、中間皮質、大脳新皮質、視床、視床下部、小脳、間脳などの間を無髄神経で結び、情報交換を行ない、その統率をとり、複雑かつ高次な意志、思考、創造性を持つ心を養う組織で、特に大脳新皮質との協調によって「道徳心」「道義心」「論理的な思想」など、品性のある高次な心が生まれます。


B毛髪の生成は意志に左右されずとも情感に左右される
例えば、何かを取ろうと思えば手が動き、その物に手を掛けます。又、頭が痒いと感じれば何の躊躇もなく手が動き、頭皮を掻きます。このような行動は、感覚器から得た情報を知覚神経を通じ大脳へ伝え、大脳は意志の表現として運動神経を通じ、行動を起こさせた結果です。このようなネットワークは大脳と体性神経系の働きによる機能ですが、体の機能の中には自らの意志とは関係なく働いているものがあります。
例えば、「今、毛髪の原料となる食材を胃に送りました。あと数時間後には栄養となって毛乳頭に届くはずですから、毛母細胞に供給して下さい」というような意志を持たなくとも、栄養は毛母細胞に供給され、細胞分裂を続け毛髪は生成されます。これは、植物性神経系と生きる意欲の脳による自律的な機能です。

植物性神経系とは、末梢神経のひとつである自律神経系の別名で、恒常性維持機能と深い関わりを持ち、内臓や血管、脳など意志の自由にならない組織、器官に広く分布し、特に毛髪の生成に直接かかわりの深い毛乳頭、毛細血管、皮脂腺、汗腺、起毛筋などにも分布し、毛髪の生成を自律的な機能を持ってコントロールしています。
その機能を中枢するのは生きる意欲の脳、つまり視床下部を主として大脳辺縁系にあります。従って植物的な脳の視床下部に情感の脳の大脳辺縁系の指令が加わり、自律神経系が機能しますから、「毛髪の生成は意志に左右されずとも、情感には左右される」のです。


(6)毛髪は正常な血液の循環によって生かされる (8)回帰本能を癒す

第1章 自然治癒力が毛髪を蘇えさせる
(1)自然治癒力とは
(2)自己治癒力は大自然によって支えられる
(3)生体リズムを創り出すエネルギー
(4)毛髪は生命力によって成長し、恒常性維持機能によって成長が左右される
(5)正常な体温が健康な毛髪を生成させる
(6)毛髪は正常な血液の循環によって生かされる
(7)自然治癒力は心によって左右される
(8)回帰本能を癒す

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